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2024/08/23

LEADオーナー高雄大善が語る“RED WING”とは。(前編)

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“ヴィンテージを買うというのは歴史を買うということ。自分で歴史をつくっていけるのが新品のRED WINGを買う魅力”

LEADオーナー高雄大善が語る“RED WING”とは。(前編)


昨今「古着ブームが再来!」なんていう話をよく耳にするわけだが、RED WINGにとって古着はずっと身近なもので、一過性のブームの古着とは似て非なるもの。そんな声が、RED WINGユーザーの皆様から思わず聞こえてきそうだが、様々な古着屋やイベントに行って話を聞いてみると、どうやら一過性のブームなんかではなく、もっと本質的な部分で古着の魅力に多くの人が取り憑かれているのでは?と思わざるをえない。90年代に起こった、いわゆるヴィンテージブームとはまた毛色の違うこのムーブメントは、単に古いから良いということではなく、ひとつひとつのアイテムを長く、大切にすることこそが、自分らしく在ることにつながっているのではないだろうか。
昨今の古着ブームの立役者の一人である、LEADのオーナー高雄大善氏(以下敬称略)にアジアマーケティングマネージャーの阿部が話を聞いてみた。

■プロフィール

高雄大善(LEAD オーナー)
大学在学中から古着屋のスタッフとしてのキャリアをスタートさせ、神戸、東京、広島での勤務を経て、2018年に地元広島に古着屋「LEAD」をオープン。“伝統と革新”をテーマにした、固定概念にとらわれないお店づくりを行っている。RED WINGは昔から愛用し、最近のお気に入りは#875。

阿部聖也(レッドウィング アジアマーケティングマネージャー)
昔から野球は巨人、サッカーはレアルマドリードが好きな王道派。好きな物が変わらないからこそ、洋服も同じような物ばかり・・・友人を介して高雄氏と出会い意気投合。


・・・・・

阿部:
今日はよろしくお願い致します。
改めてLEADの人気、凄いですよね。卸先様にもよくLEADのこと聞かれますよ。
最近の古着市場で人気のアイテムはどういうものになりますか?



高雄:
ありがとうございます。
人気のアイテムはやっぱり、ここにもあるリーバイスの506XX(通称1st)や507XX(通称2nd)みたいなアイテムは人気がありますね。金額もどんどん高騰しています。

(阿部の私物。高雄氏のアドバイスを受けながら購入している。)



阿部:
顕著ですよね(笑)やっぱり王道のアイテムですし、アメカジが好きなら一着はみんな所有しておきたい気持ちはわかります。

高雄:
王道ももちろん魅力的ですし、ニーズもあるんですけど、一点物感のあるものや、現行の商品にはないような表情をしているものも人気ですね。わかりやすく、差別化できるものというか。ミリタリー系の味のあるアイテムだったり。あとは、差別化ではないですが、チャンピオンのスウェットなんかも人気ですね。

阿部:
ミリタリー系のアイテムやチャンピオンのスウェットなんかのコーディネートも一昔前とは変わってきている気がします。「ザ・アメカジ」みたいな感覚ではないというか。これはRED WINGにも同じことが言えると思うのですが。

高雄:
そうですね、今はやっぱりそれぞれの感性に合わせてミックス感を楽しんでいる気がします。クロムハーツやエルメスのようなハイブランドとあえて、ボロボロのGジャンを合わせるみたいな。

(阿部の私物のクロムハーツ×リーバイスのWネーム)



阿部:
最近は、ヴィンテージのアイテムを「引き算」的に使うような人が増えている気がします。
ブランドで固めるコーディネートよりも、少しだけ小慣れて見えるというか。

高雄:
そういう感性が垣間見えると、その人のバックボーンとか好みというか、その人なりのバランスみたいなものが伝わってきますよね。お店やイベントで接客をしていても、日々発見がありますね。逆に、RED WING的にはこういうコーディネートに合わせて欲しいみたいなものはないんですか?

阿部:
それはないですね。
僕たちはもともとワークブーツのブランドということもあって、今も昔も、RED WINGを選んでくださったお客様の足元を守りながら、それぞれのライフスタイルに合う着こなしに馴染んでいく存在だと思っています。なので、洋服に合わせてほしいという感覚というよりも、その人の生活に寄り添いたいって感じですね。
もちろん、長く日本ではアメカジのイメージは強いと思うのですが。

高雄:
阿部さんの私服もそうですけど、いわゆる王道アメカジみたいな提案以外もされている印象だったので、意外でした。

阿部:
もちろん、一定数「ザ・アメカジ」に合わせてくださるお客様もいらっしゃいます。本当にありがたいことにRED WINGというブランドをそれぞれのフィルターを通して発信してくださっている方が多いので、僕らの提案や発信意外にも、愛用者の皆様からの発信のおかげもあって、バランス良く色々なイメージが世の中に発信できているのかなと思っています。


・・・・・

- 希少性だけではない、“普通”なものにも魅力がある -



阿部:
これからさらに人気になっていくアイテムだとどんなアイテムになるんですか?

高雄:
これは色んな意見がある前提ですが、やっぱりミリタリーのアイテムなんかはまだまだ人気になっていくと思います。今はまだ上がり始めっていう感じですけど、昔は一万円くらいで買えたものが数万円とかするようになってきていますから。ブラックデニムなんかもそうですね。

(高雄氏私物)



阿部:
同じアイテムでも、個体によって金額差が顕著ですよね。

高雄:
そうなんです。まだ数だけでいうと、市場にはたくさんあるものでも、良い色落ちをしていたり、リペアがうまくされているものだったり、そういうアイテムを探すことに、労力を割いている気がします。

(阿部がLEADで購入した私物の507XX)



(阿部がLEADで購入したカーハートのブラックフェードのベスト)



阿部:
価格が一昔前と比べてどんどん上がってる中で「昔はもっと安かった」とか「なんでこんなに高いんだ?」みたいな話ってあったりするんですか?

高雄:
もちろんそれはあります。でもそういう人は結局離れていってしまうんですよね。今買ってる人や欲しいと思ってる人からすると、逆に今が一番手が出しやすいはずなので、そこは丁寧にお話してわかって頂いていると思います。
RED WINGは長い間同じ靴をつくり続けてるからこそ、価格が上げることには慎重なんじゃないですか?

阿部:
そうですね。確かに、同じかもしれないですが、アメリカ製を貫いて、今も昔も品質を落とさずに継続して同じ物を作り続けるというのは、実はすごく大変なんです。だからこそ、発信をするときには気をつけています。



高雄:
むしろ、今の値段でも全然コスパ良いくらいですよ(笑)
もっと高くても納得感があります。僕らが取り扱っているヴィンテージのアイテムって、なかなか再現できないものが多いからこそ、金額も高くなってしまいます。でもそれは、そういう歴史を買ってもらってると思うんです。やっぱり、自分で着古したものが一番かっこいいと思うんですけど、何十年とか着るのってやっぱり大変じゃないですか。だから、その分誰かが大切に着ていた分の歴史を買ってるんだと思うんです。でも、RED WINGはその歴史を自分でつくっていけるアイテムだと思うと、すごく魅力的ですよね。

阿部:
そう言って頂けるのはありがたいです。実際、RED WINGのブーツは修理していけば本当に長く履いて頂けますし、履き込んでいくことでどんどんかっこよくなっていくんです。


・・・・・

- 普遍的でオーソドックスなのに、どのモデルも一目でRED WINGってわかるのが面白い -



阿部:
高雄さん的には、RED WINGをどんなコーディネートにおすすめしたいですか?

高雄:
RED WINGって、普遍的でオーソドックスなデザインなのに、どのモデルでも一目見たらRED WINGってわかる強さがあると思うんですよね。なんかこう、パワーがあるというか。

阿部:
ロゴとかが大きく入っていたりするわけではないんですけど、そう言って頂けることはありがたいことに多いです。



高雄:
なので、やはりこう、パワーのある服、服としてのオーラがあるものと合わせたいですね。古いものになればなるほど、やはり歴史があるので、不思議とそういうオーラを纏っていたりするので。ただ、一方ですごいシンプルな服に合わせて、靴をメインにするコーディネートも素敵だなと思います。

阿部:
どっちのスタイルに合わせてもハマるのがRED WINGの魅力だと思っています。ちなみに高雄さんはコーディネートに合わせて、ケアの方法も変えていたりしますか?

高雄:
スーパーソールだったり、ピンクのモックとかはなるべく綺麗めに履きたいなと思ってるので、こまめにケアはしています。ただ、スウェードのエンジニアだったりは味がある感じがかっこいいと思っているので、ケアの方法や頻度も分けていますね。オフィシャルの履き方がどうかはわからないですが(笑)

阿部:
いえいえ(笑)僕らとしてはそれぞれのパーソナリティーに合わせて履いてもらうことが一番RED WINGらしいのかなと思ってます。先程もお話させて頂いたとおり、やっぱりもともとはワークブーツがオリジンなので、しっかりと足元を支えられて、その人らしく履いて貰えればなと思っています。

高雄:
阿部さん的には、どのモデルが最近のおすすめですか?



阿部:
やっぱりモックですね。最近のおすすめっていうわけではないですが、やはり1905年からRED WINGは靴を作り続けていますが、トレンドに左右されることなくずっと作り続けているのがモックのタイプなんです。色で言うと、定番のオロレガシーと、この新色のオールブラックが特におすすめですね。

高雄:
どちらもいいですね。それぞれ合わせやすそうです。



阿部:
オロレガシー(#875)は幅広い世代の方に受け入れてもらっていますが、他のカラーや素材のものと比較しても、履いてる方のスタイルが一番色濃く出るんですよね、不思議と。
色が濃くなったり、黒っぽくなったり、光沢がでたり…単にケアの仕方だけじゃなく、その人のライフスタイルが反映されるというか。

高雄:
僕も最近#875手に入れましたけど、すごく良い革ですよね。

(高雄氏のインスタグラムの投稿)



阿部:
そうなんです。RED WINGのシューズの中でも、一番上質な革が使用されるのが、この875なんです。他の品番のものだと、カラーを乗せていたりとかするので、お化粧しようと思えばできちゃったりするんですけど、この革だけはありのままの状態なので、革の中でも優先的に良いものを使わざるをえないんです。スウェードのものとかはラフアウトですし。

高雄:
アイコン故に、うまく履きこなしている人はすごく記憶に残ってますね。他のモデルはある程度、履き始めから様になるのかなと思いますが、875は履き込んでいくことでかっこよさがアップデートされていくイメージです。



阿部:
そうですね、実際このモデルを何足も持ってらっしゃるお客様も多いんです。育て方によって全然違う靴になっていくというか。一方でブラックは8/16に発売された新色なんです。

Style No.8074 6-inch Classic Moc / Black Harness Leather





高雄:
スーパーソールや、今まで発売されていたブラックのモックとはイメージが変わりますね。ソールまでブラックってありましたっけ?

阿部:
ソールもブラックでステッチもブラックっていうのは今回が初めてです。
このタイプのシューズが、どうエイジングしていくのかは是非楽しんで頂きたいなと思っています。

後編へ続く

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